駅を出るとお孫さんとお爺ちゃんという感じの二人が歩いていた。
「すみません、高尾山に登るんですか?」
「はい」
男性は登山の正装、女の子はカワイイ傘を差している。
「この子も登るんですか?」
「ケーブルカーですよ」
3歳だという女の子は私を怪訝な顔で見つめている。
「ケーブルカー降りてからも結構登りますよね」
「降りてその辺をちょっと歩くだけてまた帰って来るんです」
そうか、その手があったかと思った。私は高尾山は歩いて登るものだとしか考えていなかった。
思いつきで高尾山行きを決めたから傘を持たずに娘宅を出た。新宿を