連載:映画日記

遺灰は語る パウロ・ダヴィアーニ監督作品

猛暑を避けて早朝から鑑賞に行った。正直って、無理して見に行くべき作品ではなかった。しかし、ダヴィアーニ監督の背景を全く知らずに鑑賞したこともあり、何が何だかわからない。でも、イタリアンネオリアリズムの雰囲気を、「自転車泥棒」「無防備都市」などと共通するイメージがあり、懐かしく鑑賞することができた。なんといっても監督は91歳ということだ。
ストーリーは、著名な作家(ピランデッロ)が亡くなりその遺灰をローマから故郷のシチリアまで運ぶだけのお話だが、その間の敗戦後の帰還兵の生態や街の景色がドキュメンタリー風に描かれ、モノクロで懐かしい。イタリアの新日本紀行の