安齋徹、周藤亜矢子「女性のためのキャリアデザイン」

 「キャリアデザイン」について講義することを模索しており、参考書を物色する際に本書に行き当たった。いわゆる「キャリア教育」の典型的なパターンとは一線を画す内容になっていることが本書に着目した所以だ。よくある「キャリア教育」とは自己理解から出発して、職業理解、キャリアプランと進む。しかし、まだ発展途上で多感な若者の不確かな「自己」を前提としてキャリアプランを描くことには無理があるように思われる。まずは自分とは何かを多面的に考え、様々な可能性がある中でどちらの方面に進むのが自分らしいかを検討してみるぐらいの緩さがあってもよいように思う。

 本書ではそん