俺はため息をついて立ち上がった。
「喜朗お…マスター、奥の個室に入るよ~。
ここからの眺めは気持ち良いのだけどな~振り向けば富士山が見えてさ~!」
俺は多少乾に嫌味を込めた事を言って、コーヒーカップを持って個室に向かった。
俺をじっと見つめる乾に、俺は軽く顎をしゃくった。
乾が小刻みに頷くと立ち上がり、俺の後をついて個室に入った。
俺と乾は円卓の椅子に座った。
乾の食べかけのチーズケーキの皿を持って来た凛が俺と乾をちらりと見てくすくすとしながら追加の御注文は無いですか?と尋ねた。
俺はコーヒーのお代りを頼み、乾も小声でコーヒ