或いは孤独癖

十五歳の時に親元を離れてから
三十歳を過ぎて結婚をするまで
ずっと一人暮らしをしていた


長い間
一人でいると気楽さに溺れていく

好きな時に単行本を読み
音楽を聴き
ギターを弾き
テレビやDVDで好きな映画を観る

時には一日中
誰と話すこともなくボーっとして過ごす

行きたい時に行きたい所へ車を走らせる


何をするにも自由気まま


だから一人でも
それで孤独という意識は無かった

むしろ
心地良くさえあったのだ


仕事を離れた束の間
趣味や好きな事に費やす時間が
唯一
自分が自分