連載:読書

青の洞門

私が子供の頃、両親が一冊に3篇の小説が掲載されている本を買ってくれましたが、当時私はほとんど読まず40年以上戸棚に放置していました。ところが、今頃になって渋沢栄一が書いた「論語の読み方」の中に青の洞門に関する記述があり、早速40年の時を超えて読み始めました。悪女である主人公の主人の奥方にそそのかされ、ついに殺め逃亡する先々で旅人を追いはぎをし、そして殺害するという悪事に主人公は両親の呵責に悩み、悪行から手を引き出家して僧になります。地方への旅の途中に険しい地形の為に遭難する人々が多い険しい山を見て罪滅ぼしに20年以上かけて不眠不休でノミ一丁でついには掘削