『人生のレシピ、新しい自分の見つけ方』(続)(五木寛之著)

「心の武器」が人生を豊かにする
ある種の歌謡曲や演歌の歌詞は、「涙」「泣く」「別れ」「切ない」「嘆き」といったセンチメンタルな言葉であふれています。「負の叙情」時代の通風孔のように思える。背後には悲しみの水脈が流れていて。センチメンタルな流行歌という形をとって噴き出してくる。カラオケの誕生が1970年代初めである。笑いを求めている。悲しみとか、嘆くとか、泣くとか。笑うことの裏表なんですよ。悲しんだり泣いたり嘆いたりすることで、心の憂さを消化して、新たな元気を得ることもできる。戦時中、兵士たちがリクエストするのは悲しい歌だったという。「湖畔の宿」「赤城の