記憶の彼方に残る日々
寡黙な父は、毎日背中で語るかのように、もくもくと仕事に打ち込んでいた。
すし屋の息子として誕生した自分はと言えば、毎日遊び放題、父の背中を横目に見ながら、飽きもせずによくやっているなと思っていた。
50半ばまでは働き詰め、家族のため、この自分をはじめ母や姉の生活を支えてくれた。
楽しみと言えば、プロレスぐらいで、テレビ中継を見ては、夢中になって声援をしていた。
当時は力道山全盛、相撲と言えば大鵬、野球と言えば長嶋、各人時代は少しずれるかもしれないが、そう記憶している。
テレビでは、デモがよく報道さ