紫煙随想 ー秋よいずこにー

「春夏冬中」という看板が「商い中」という洒落の看板だというのを知ったのは15年ほど前だった。浦和駅近くのカウンターが6席と奥に4人掛けのテーブル1つある小さな居酒屋が昼もランチを出している。たまたま立ち寄ったのが縁でそれから月に2,3度は昼食を食べるようになった。そこの店が掛けていた看板が「春夏冬中」。ある時「あの春夏秋冬中って看板は何?」「よく読んでみなよ」改めて見てみたら「秋」がない。「わかったかい!秋がない、商い中ってわけさ。洒落のわかんない客はやだね」「ふん、なるほどね。じゃあこの店は「千万来だな」「なんだ?それ」「客がない、千客万来が普通だけど