重田園江『真理の語り手——アーレントとウクライナ戦争』白水社、2022年、208+46頁、読了。

 序章冒頭に引用されるウクライナの映画監督セルゲイ・ロズニツァの言葉が愚生を射た。「ソ連とナチスドイツは極端なことをしたが、将来似たような考えが必ず出てくると確信している」p.9とある。2014年からのロシアのウクライナ侵略、2022年2月24日以降の宇露全面戦争に、ロズニツァの言葉を重ねている。頭の準備はできた。さあ、読むぞ、ロズニツァとハンナ・アーレント、そして著者による本文と注に伴われて。そして、現今愚生の関心の的「バービイ・ヤール」(本書では「バビ・ヤール」の表記)を著者・明治大学政治経済学部教授重田園江氏(現代思想・政治思想史)がどのように追究