四角い朱い容器に蕎麦湯入れ 



 芦屋の地海風そよぐ砂氷 杉本健司

 絨毯踏む氷上ながく滑りきて   橋本美代子

 氷上や雲茜して暮れまどふ   原石鼎

 並び立ち氷上の日を眩しめる  西村和子

 苺味シャリシャリ美味き掻き氷  アロマ

 昏れ際の鳥を映すや氷面鏡   砂川せい輝

 歯にあてし菜漬の氷なつかしく   瀧春一

 甕暗し押せば沈める氷の面  岡本眸

 氷上を帰り地上を帰らざる  斎藤玄

 全面結氷の気配の灯色きらきらす  岸田稚魚

 びびびびと氷張り居り月は春  川端茅舎

 ここ真水あそこ塩水氷面鏡