連載:俳句帳

12月の俳句帳(128)令和五年12月27日

1)杭に載る川の日溜まり鴨数羽

2)枝蜜柑食い尽くされて庭閑(しず)か

3)川風に鳥撮るカメラ悴(かじか)む手

4)櫨(はぜ)の実や灯る行灯(あんどん)仄明かり

5)外濠の夕景描く鴨の二羽

6)川瀬音鷺足歩み稚魚咥(くわ)う

7)木漏れ日の斑(まだら)障子に京町家

8)黄落を受けて夕陽のきら光る

9)伊吹より翔び来る川辺笹鳴きて

10)夜もすがら初句(しょく)を耕す年の暮れ

11)杣(そま)奥の木小屋を閉じて山眠る

12)蒼い背にカメラ乱るる枯れ芦辺

13)冬寺の筧(かけい)滴(した