連載:知ることの地平

言えないけれど言葉にしたい

中野信子さんの「孤独な脳、バカになれない私」という連載記事をまとめたものを、強く惹かれ読んでいる。なぜ惹かれるのかというと、氏が幼少のころから周囲との違和感を感じつつ長じてきた履歴や、その孤独である自分のことを、かなり赤裸々に、いわば、まな板に載せた鯉のように語ってしまっていることだ。勇気のあることだと感じるのだ。

理由は定かではないが、幼いころから周囲との交流が途切れたり壁が出来たように感じたりして、それがどうもおのれの中にある何らかの傾向が阻害しているらしいけれど、しかしいくらそれをはっきり見定めようとしても確定せず、しかしながら周囲と同調する