妻を失って4年半になる。
彼女の晩年は寝たきりの暮らしだった。
妻が介護施設へ入るのを嫌がったので、自宅での老々介護が私の生活になった。
ときどき娘の支援を頼んだが、娘は自分の仕事をもっての自分の家庭の暮らしがある。
なるべく彼女の時間をつぶさないよう、介護保険をフルに利用しての介護の毎日を過ごした私だった。
たいへんではあった。介護というのは、あてど、のない虚しさに、打ちひしがれそうになる時がある。
しかし、私はこう考えた。
当然男の私から求めて夫婦となり、家庭をつくり子供を育てた。
子供たちが巣立って行った後の今、愛したひとのためだ