行く手の電信柱の上の方にカラスがいる。
「大きいカラスがこっちを見てるよ」
「カラスめ、ボクがやっつけてやる!」
カラスは私達を目指しているかのように低空飛行して来た。自販機の上辺りに留まった。
「バアバは走って擦り抜けるよ」
お兄ちゃんはどうするだろう。ジッとカラスを見ている。なかなか来ない。来た。走る走る、全速力だ。バアバを追い越した。
「やっぱさぁ、カラスも人間と同じだね、聞こえる所で悪く言っちゃ駄目だね」
土曜日の朝。早朝にママは出勤した。ちょっとした事でバアバはお兄ちゃんとぶつかった。
私は前日夜娘宅に