元犯罪者達が住むアパート

 伊岡瞬の「残像」を読了した。著者はミステリー作家であり、2005年「いつか、虹の向こうへ」で第25回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビューしている。本書は、ホームセンターでアルバイトをしている浪人生が巻き込まれた脅迫事件を描いたサスペンス小説である。なお、本書は主人公の堀部一平と、有名政治家の息子の吉井恭一の二人の視点で交互に描かれており、さらに一平と知り合いになった葛城の回想が所々で挿入される。。
 十九歳で浪人生の堀部一平は、友人で大学一年生の幸田陽介と一緒に、近所の大きなホームセンターのルソラルでアルバイトをしている。彼はセンター試験の日に