連載:俳句帳

1月の俳句帳(129)令和六年1月29日

1)能登半島地震と津波氷雨(ひさめ)降る

2)鎮魂の鐘撞(つ)く寺院音冴える

3)謹んで屠蘇(とそ)酌む杯や輪島塗(わじまぬり)

4)伐採の切り株に載る寒鶲(かんひたき)

5)川段差揺らぐ水音鴨(かも)渉(わた)る

6)喫茶去(きっさこ)の掛け軸跳ねる釜始め

7)短日や句作浮かばず過ぎにけり

8)瀬戸黒に薄茶の緑部屋障子(しょうじ)

9)坪庭へ曙光(しょこう)差し込み淑気満つ

10)寺庭に鳥語を交わす蜜柑枝

11)山茶花(さざんか)の一輪竹筒奥座敷

12)冬蹲踞(つくばい)両手(もろて)を