村上春樹「街とその不確かな壁」・・・統合失調スペクトラムとメタバース

 私は映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を見る上で、ADHD(神経発達症群の一形態)とマルチバースへの若干の理解が有るとその世界観を読み解くことが容易になると述べた。今回、この小説に出てくる主人公達(少なくとも主人公を含めて3人=主人公・少女・少年)はADHDよりも重い疾患で有る統合失調スペクトラム症的な要素を持っていると理解した。3人は統合失調スペクトラム症の中でも妄想性障害(主人公と少女)と感情障害(少年)の違いは有るが、それらの人達が行くメタバース(=「壁に囲まれた世界」今回は、現実世界との連関が有るのでマルチバースでは無く