連載:日常2

ことばにより思考し、ことばの呪縛に捉われる

人間はことばを使って思考している。そのため、ことばを介さない考えというものは存在できない。
ところがことばは、人間を束縛する役目をもしている。ときにそれらが、みずからの不幸を招く。

ことばは人間の脳が生み出したもので、この現実世界には存在していない。しかし人間はことばを使って世界を表現しようとする。そしていつしか世界はことばによって、全部表現できるものだと誤解するようになった。詩のことばは、世界を表現していると考えられているが、それはことばの比喩によって、世界を指し示している指なのだと思う。

ことばによる不幸のひとつは、完璧主義が生まれたことだ。完璧