『幻庵下』(百田尚樹著)は、囲碁の伝統と文化は守られ、戦後、韓国や中国に広まっていく。囲碁で人間を打ち破るAIを作る、人知を超えたAIの誕生を考えた、と

安藤如意原著の『坐隠談叢』。資料的には唯一無二と言えるものではないが、 名前や年代の誤りは少なくないが、当事者ならではの生々しい記録は他の書の追随を許さない。
 大広間に集まった本因坊丈和、安井仙知、井上因碩、林元美を前にして、「本因坊丈和殿の名人碁所願いについての儀である」と。 寺社奉行が本因坊丈和に名人碁所を官許したのだ。 丈和は名人碁所に就いて当然の碁打ちであった。ただ、その就位は健忘術策を用いてのもので、それが本因坊丈和の評価に暗い影を落としている。 11歳下の井上因碩との対局を徹底して回避し、最後は水戸藩主の徳川斉昭迄動かして、争碁を打たずして