それはもうすっかり胸の奥に消えていたことだった。
しかし、ある日 『 笑顔もらえる週末里親』という
新聞の見出しが目に入り、遠い記憶を思い出す事に
なった。
私は当時、夫の仕事で東京におり、里親制度に協力
しようと都の審査を受け、小学2年の女の子を2日間
預かることにした。
初めてのことで、少しドキドキしている私を見て
「大丈夫よ、おばさん!」
とその子は笑った。
もうこんなことは慣れているふうに見え、安心
したことを覚えている。
彼女を連れて来た係の方は気の毒そうに
「夜、おねしょをするので」
と言っていた。
そこで、夜嫌がるのをせ