宝石店から「完全閉店」のはがきが来た。えっ!?
この店を最初に紹介してくれたのは姉だった。
旅先で買った指輪がきつかったのでサイズ直しを
頼んだ時、店長は持ち込みの品にも丁寧に誠意を
持って対応してくれた。
それから長いお付き合いが始まった。
母の形見のサンゴの髪飾りを、洋装に合うよう
リフォームしてもらったこともある。
高価な宝石などそうそう買えるわけもなく、
たいてい眺めるだけだった。
はがきが届いてから数週間後、店に行った。
「さみしくなります」と言うと、
店長は「私の力不足です。申し訳ございません」
と頭を下げた。
話をしてい