3月1日から15日までに読んだ本

①不如帰(徳富蘆花 岩波文庫)
 本書を手に取ったきっかけは、先日読了した松本清張の「黄色い風土」の中に、偽の新婚夫婦として登城する二人の名前が「不如帰」と同じであった。松本の小説では「なんとふざけた名前を付けたものだ」という旨の言葉があったが、その時点でなぜふざけた名前なのか知る由もなかった。後日、調べた結果が正に「不如帰」の主人公の名前であることが分かり本書を手に取った次第だ。調べている途中でも、国民的な人気を博した小説であり、何度となく映画化され、浪子の残した台詞が、そして別れ際にハンカチを振る場面はこの小説がもとになっていることなども知りえた。文