馥郁と香る白い沈丁花



 あかつきの丁字は白き花なりし  佐野青陽人

 ある日ふと沈丁の香の庭となる  今井つる女

 沈丁の香は薬の匂い庭先に  アロマ

 夜帰り来て吾が家や沈丁花  細見綾子
 
 朝降りて昼とけし雪沈丁花  細見綾子

 沈丁の小枝小枝の花簪   山口青邨

 沈丁の香や一邸のものならず  山口誓子

 沈丁やいとかすかなる北極星  福田蓼汀

 沈丁花にほへり美しき夢のあと  伊丹三樹彦

 逍遥サリーの裾から夕風 沈丁花  伊丹三樹彦

 朝降りて昼とけし雪沈丁花  細見綾子

 苗木市沈丁の香に搦まるる  百合山羽公

 沈丁も古今伝授の