連載:母のこと

母のこと②

秋のある日、医師と会ってきたと言う兄からFAXが届く
それは『いつ何が起きてもおかしくないような容態ですよ』という内容のお知らせであった
しかしそのお知らせを渡した医師は兄への説明で「今すぐどうこうってことはないと思いますよ」とも言ってくれたらしい
その言葉を聞き、少し安心する

母が入院した頃はコロナで面会が制限されている時期であった
母のいた病院は<近県以外の地域から来る人の面会は居住地を出発した2週間後に面会可能>との条件になっていた(のちに感染者が増え、面会不可となる)
2週間も仕事を休むのに迷いはあったが、家族の「行かなかったら後悔するから行っ