春雨と芹を炒めて一品に



 芹の香にいのち温もる七日粥 藤原たかを

 小魚の隠れてゐたる芹を摘む 大木あきら

 芹のお浸し小鉢に盛る夕餉   アロマ

 芹摘んで日射細かくなるばかり  冨田正吉

 谷へ直落つ深吉野の芹の水   丁野弘

 湯の町の源流に来て芹を摘む 池谷市江

 春雨と芹を炒めて一品に  アロマ

 洗ひゐる濁りすぐ澄む根芹かな  岡山裕美

 芹と牡蛎の酒蒸しガーリック味  アロマ

 真っ直ぐに延ぶる農道田芹摘む  二宮桃代

 橋ひとつ越え摘み足りし芹なづな 鷹羽狩行

 網棚へ小さき芹たば始発駅  清水喜造

 田芹摘む躰のなかを水奔り