窓に見る春灯仄か薔薇色に



 春灯に一人の時間生れけり   稲畑汀子

 春灯下メインデッシュの運ばるゝ  田上昭典

 春灯に寝仕度済ませ横になる   アロマ

 春燈や画集に祖父の蔵書印   堀本祐子

 春燈下播く與謝野源氏かな  山下佳子

 春灯や籠りの僧の沓の音 木暮剛平

 雨の道春灯の影濡れてをり  栢森定男

 春燈下皿の煮付けの美味確か  アロマ

 春灯や母の名足に新生児 森山暁湖

 春灯や商人宿の勝手口 小山徳夫

 いちはやく春灯点しかすみけり  神蔵器

 窓に見る春灯仄か薔薇色に   アロマ

 空のバス春灯乗せて発車せり 神戸やすを

 星空