連載:孫日記

「桜は間に合ったが」

ガラス窓の外側にある網戸がすーっと動いた。横なぐりの雨がガラスに叩きつける。もう式は始まっただろうか。

こんな嵐の中を正装して出掛けるのか。傘など何の役にも立たない。ランドセルを背負った姿は一度見ていたが、体の小ささが際立つ気がした。

ますます雨と風は酷くなり、私は仕事しながら何度も何度も窓を見た。

娘宅に行く準備をして出勤したが、あまりにも雨風が酷く、行くのを止めようかと思った。が、こんな悪天候だからこそ行こうと思い直した。

午後になって娘からラインで写真が送られて来た。無事に入学式に参加している。思っているだけよりこうして写真を見ると安心する