連載:孫日記

「マテ貝」

潮干狩りと言えばアサリと思っていたが、孫はマテ貝を獲りたいと言う。

私はそんな貝がある事すら知らなかったが、孫が繰り返し見るYou Tubeで知った。

海岸の砂浜に開いた穴に、たっぷりの塩を置くとひょっこり顔を出す。それを引っ張り上げると10センチくらいの棒のような貝が獲れる。

初夏のように暑かったし、干潮の時間も丁度いいので出掛けると娘が言う。

葛西臨海公園駅は既に人が一杯でゴールデンウィークを思わせた。桜はまだ十分見れるのに、新緑が眩しいと言う不思議な光景だ。

マテ貝はいなかった。辺りにいる人も誰も獲っていない。それでも孫達は広々とした東京