連載:介護

「穏やかな一日」

「○○さん、少し歩きましょう」
「いいよ」

「ほら、あの黄色い建物、何か怪しいですよね」
「だろう?」

「何か情報が入りましたら、真っ先に○○さんにお伝えしますから」
笑っている。

爺様は窓から見えるレストランが気になるらしくよく見ている。大分歩き方がゆっくりになった。ほんの数日の入院でも影響は大きい。館内2周でやめておく。

久しぶりの出勤だ。認知症の方はなかなかこちらの言う事をきかないが、孫より遥かにラクだ。エネルギーがない。

A子さんはトイレが頻回だ。カルタを出して私が読み手をやり、A子さんに取ってもらう。爺様も手を出して来る。

B男さん