山口拓朗『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』

 著者は出版社で編集者・記者を経て独立。執筆、講演、研修を通じて言語化のノウハウを伝授されている方。まさに、言語化のプロ。学者ではないので、すこぶる実用的。だからと言って、表層的なノウハウだけではない。言語化のメリットを説く際には深い洞察もある。言語化は手段であるだけではなく、その人の人生の一部でもある。言語化力をアップさせることで、自らの人生をより豊かにして欲しいという願いが著者を突き動かしているに違いない。

 本書の最重要ポイントは言語化3ステップの2番目、「具体化」だ。例えば、食レポを求められた時に、”おいしかった”だけでは相手に伝わる情報は極め