連載:姥のつぶやき

となりの男 柳谷郁子著


 連休は読書三昧で籠るつもりで
  佐藤愛子さんの作品を探したが、目的の作品に出会えず
  なにげなく手にした柳谷郁子著「となりの男」
  その表紙をどこかで見たような気がして・・・

 ちょっとした作品が雑誌で評価され、小説家になる夢を捨てきれず
 勤めの傍ら小説を書き続ける主人公の男の家に
 小中学校の同級生・湯川秀樹が風呂敷包いっぱいの原稿を抱え
 「作家になりたいんや」と押しかける
 うすのろぶりを皆に馬鹿にされ続けてきた彼
 しかし、その可笑しな感性を生かし
 常人には作り得ない作品世界を作り出せるのではないか
 彼のことが頭から離れなくなっ