月光をステッチ刺繍に縫ひつけり 有松洋子 邯鄲のこゑ月光をのぼるらし 水野恒彦 日光にダイヤ月光には真珠 高橋将夫 月光に白肌さらす懸大根 池元道雄 月光に泳ぐかに庭逍遥す アロマ 月光の道満月の森に入る 柴田佐知子 山肌の傷月光が舐めてをり 高橋将夫 良夜かな月光浴をほしいまま 山田夏子 月光の部屋に一人横たわる …
水たまりひとつひとつの夕焼けて 岡部名保子 夕焼やカットグラスのリキュール壜 佐藤午後 大夕焼飛行機雲を溶かしたる 峰尾秀之 厨窓あかあかと染め大夕焼 辻井ミナミ 夕焼けを乱切りにして千枚田 山中志津子 夕五時の「夕焼け小焼け」日脚伸ぶ 松岡和子 若かりしあの日の夕焼小焼かな 佐土井智津子 飲み干すやグラスに残る大夕焼 岡野里子 …
あさ風に馬はなちけり夏の草 会津八一 いたちごつこの夏草を刈りにけり 成瀬桜桃子 いちめんの夏草をふむその点景の私として 種田山頭火 自画像 落穂集 人がゆく早や夏の蝶夏の草 星野立子 夏草のかんばし牡鹿半島へ 小川軽舟 勢いの夏草碧生き生きと アロマ 夏草に脚の埋まりし対州馬 岩橋玲子 夏草や紅控へ目に加賀友禅 能村登四郎 夏草に雲下りふして汽…
げんげ田を百枚見れば臼杵かな 藤田湘子 去来の花 げんげ道筆箱が鳴るランドセル 吉原文音 げんげ野に夕日の海を見てゐたり 伊藤いと子 げんげ野に寝てふるさとの山と空 稲葉光音 げんげ野に枯れてげんげの首飾り 諸岡直子 げんげ田のほむらをのぼる月の色 松村蒼石 春霰 薄靄にげんげ田の色優しくて アロマ げんげ田は父の胡坐に入るごとし 影島智子 げん…