「泉ゆたか」の日記一覧

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泉ゆたか の 猫まくら 眠り医者ぐっすり庵

★3.2 寝不足専門の医者と猫セラピーの物語。 日光御成道の日本橋から2里、飛鳥山の近くに西ケ原村はある。そこの広大な茶畑・千寿園の娘・藍は両親を亡くし一人住まい。千寿園は伯父夫婦に任せている。 そこへ兄の松次郎が密かに帰ってきた。長崎の鳴滝塾で蘭方医術を学んでいたがシーボルト事件の探索方に追われているらしい。 作業小屋で開いた養生所の看板は「ぐっすり庵」。シーボルトから眠りの研究を勧めら…

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泉ゆたか の お江戸けもの医 毛玉堂

★3.4 芦雪の〈狗児図〉を思わせる表紙。昨今の犬猫ブームにあやかってかと思ったがちょっと違った。 谷中感応寺の境内で〈けもの医者〉を開業しているのは小石川養生所を辞めた医師・凌雲(りょううん)23歳と押しかけ女房の美津18歳、貰い手のない白太郎、黒太郎、茶太郎の3匹の犬とキジ虎猫のマネキ。そこへ同じ境内の水茶屋の人気娘・仙から善次という男の子を預けられた。 登場するのは犬、馬、猫、兎、そし…

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泉ゆたかの「お師匠さま、整いました!」。

★3.5 相模国高座郡堤村(現茅ヶ崎市)にある浄見寺を舞台にした算法娘たちの物語。 漁師の娘・桃は15歳で高齢の算術家・上野清道に嫁ぎ、清道亡き後はで寺子屋の師匠を務め今は23歳。 学問をしたいと転がり込んだ15歳の孤児・春、9歳で「塵劫記」の解題を迫る鈴、桃の幼馴染で大工の平助。 浄見寺は町奉行大岡忠相家の菩提寺、寺子屋を含め何かと支援がある。酒匂川の氾濫で春は両親を失った。大岡家の手で…