泉ゆたか の 猫まくら 眠り医者ぐっすり庵

★3.2 寝不足専門の医者と猫セラピーの物語。

日光御成道の日本橋から2里、飛鳥山の近くに西ケ原村はある。そこの広大な茶畑・千寿園の娘・藍は両親を亡くし一人住まい。千寿園は伯父夫婦に任せている。

そこへ兄の松次郎が密かに帰ってきた。長崎の鳴滝塾で蘭方医術を学んでいたがシーボルト事件の探索方に追われているらしい。

作業小屋で開いた養生所の看板は「ぐっすり庵」。シーボルトから眠りの研究を勧められたという。藍のもとには「ねう」という白黒の牡猫がいる。千住宿の水茶屋で働く元女中のお久が寝不足の患者を送り込んでくる。

不思議な猫のねうは面白いが、物語が御都