今年米寿になった従兄はもともと農家でトラクターを使って畑をしているが、10年以上まえから出荷せず、知り合いの人達にできたものをあげている。 肥料は主に馬糞と米ぬかで馬糞は近くにある競走馬訓練所からもらい、米ぬかは農協からもらっている。 人に分け与えていくと感謝され、また自分にいろいろなものが返ってくる。 まさに「善行は人のためならず」である。
買い物してきたものを玄関に置いて、ゴム長に履き替えた。水やりだ。今年になって全くと言っていいほど雨が降らない。 一秒でも早くソファーに横になりたいが、そうしたらもう二度と起き上がれないことがわかっている。それに、体には心地よい疲労感とでも言いたくなるような充足感が残っている。 仕事のある日は朝の6時半に家を出る。まだ薄暗い。坂道を登り切って少し行った辺りに、婆様の姿がある。ゴミの集積場辺り…