「角川源義」の日記一覧

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角川源義

松尾芭蕉に心酔。飯田蛇笏の句風を慕い、石田波郷の俳句精神に傾倒した。1975年10月21日、「後の月雨に終るや足まくら」を最後の俳句とする。忌日は「秋燕忌」というが、これは「篁に一水まぎる秋燕」の俳句から来ている。 角川源義の句 春の雲家禽のごとく尾長来る 季 逃げ水や人を恃みて旅つづく 季 潮しぶき来る北窓を塞ぎけり 季 鳥影や遠き明治の冬館 季 雪達磨目を喪ひて夜となる 季 神留守の汐木を…

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大須賀乙字と角川源義

◆窓外に黒ずむ山や扇置く 源義(昭和八年) 石田波郷は『ロダンの首』の跋文で、 このやうに最初から完熟してゐる作者も珍しい。(中略)単に洒落た構図の句と言ひ棄てられさうな句だが、こゝにはる人生の一点が動きを止めて定着されてゐるやうなところがある。 と述べている。「窓外に黒ずむ山」とは、立山連峰。大須賀乙字の言う「二句一章」論を実践した初期の代表句。俳句の形を生涯大切にした源義の片鱗が現れている…

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二句一章。

異場面の二句一章   降る雪や明治は遠くなりにけり    中村草田男   万緑や死は一弾を以て足る      上田五千石   曼珠沙華どれも腹出し秩父の子    金子兜太     同一場面の二句一章   夏の河赤き鉄鎖のはし浸る      山口誓子   神田川祭の中を流れけり        久保田万太郎   くもの絲一すぢよぎる百合の前    高野素十 大須賀乙字の俳句 凩に木の股童子泣…

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去年今年

去年今年貫く棒の如きもの  高浜虚子 去年今年闇にかなづる深山川  飯田蛇笏 星よりも噴煙重し去年今年  阿波野青畝 命継ぐ深息しては去年今年  石田波郷 触すぎし月光毛煙る去年今年  角川源義 埋火(うづみび)の生きてつなぎぬ去年今年 森澄男 人生は玉乗りゲーム去年今年  そよかぜ