料理書の染みに家族史秋更くる 荒井千瑳子 寺町の夕風はたと秋めける 今橋眞理子 振り向けば暮れ行く街の秋深む アロマ 高野の秋金剛界にパスタ膳 渕上千津 蕎麦啜る山中を秋急ぎおり 吉田透思朗 指先の影に秋立つ弥勒仏 中村房子 江の島や秋立つ松葉ちくちくす 辻桃子 庭に出て辺り秋めく宵の口 アロマ …
このあたり目に見ゆるもの皆涼し 芭蕉 草原の朝涼しく歩みけり 渋谷ひろ子 青の洞門抜けて川風涼しけれ 田中藤穂 夕暮れのベランダ涼し風吹いて アロマ 旅づかれ水涼しくて未草 田中藤穂 薄碧いドレス涼しく翻る アロマ 灯り出す夕暮れの街灯涼し アロマ 雫して茅葺涼し薬師堂 深川知子 世界一ダイヤ涼しく輝けり 三村武子 谷川の夜更けの宿の星涼し…
十一月も下旬となり 明け方や夜中などは冷える 夕食は雑炊少々と 冷凍パスタ スイーツは抹茶の最中 テレビの二時間ドラマを見て過ごす 渡瀬恒彦や 沢口靖子主演の刑事もの 見たことのある作品も多いが 細部まで覚えているわけではないので 楽しい レタスに檸檬酢 黒胡椒 塩 オリーブオイルを懸けて 和えると美味しい スモークサーモンと一緒に 以前はよく食べていた
レモン切る焼酎黒色透明で 三神あすか 冷蔵庫レモンスライス蔵ひ置く 宮津昭彦 養生の野菜ジュースの檸檬入り 村上倫子 ゆるびたる身の箍締まりレモンの香 森清信子 焼酎に片手搾りの檸檬かな 荒井和昭 日のあたる順に色増すレモンかな 岩井京子 檸檬ハイ頼んでやはり飲み残す アロマ 鉢植ゑに今年は七つ檸檬の実 秋山信行 翠色マイヤー…
一度良くなった風邪がぶり返し それもやっと収まったかに思えるのだが 油断厳禁 朝はうどん お昼はカレー 夜は蛸の刺身 牡蛎フライ スモークサーモンのカルパッチョ等 《ずんだ餅》と《おはぎ》を半分ずつ クリントイーストウッドの映画「サンダーボルト」を見つつ頂く 以前に見た記憶はあるのだが なかなかに新鮮 極上空間「長嶋一茂のひとりドライブ」《再放送》を見る 餃子…
馬場出でて馬蹄音立つ涼しけれ 大橋敦子 シンプルな暮しすなはち涼しかり 和田友季子 水注いだバカラのグラス涼し気に アロマ 摺鉢状湖底おもふだに涼し 鷹羽狩行 涼しさや緑釉すべる壺の肩 神蔵器 軒端の江戸風鈴の音涼し アロマ 水音といふ涼しさの中に着く 稲畑汀子 涼しさや小江戸囃子の佳境へと 小澤克己 近付けば滝の轟音涼気増す …
彫深き顔と冬の夜の薔薇と 石塚友二 心臓の至近に大き冬の薔薇 星野明世 情炎は我れにあり冬の薔薇寂か 渡邊水巴 富士 戴いてその日咲ききる冬の薔薇 池田澄子 指で読む書は白かりし冬の薔薇 平井 葵 文芸は具象抽象冬の薔薇 阿波野青畝 朝なれば食器の音も冬の薔薇 細見綾子 花寂び 冬薔薇咲いて窓辺に飾る朝 アロマ フランスの一輪ざしや冬の薔薇 正…