wakohは長く朝日新聞を購読してきた。1958年結婚以来である。途中留学中の4年間を除けば、ほぼ60年間になるだろう。だが、父もずっと購読してきていた。だから、父の代からすれば、およそ百年に及ぶ読者といってよいだろう。 もちろん朝日新聞には毀誉褒貶があることは知らぬではない。けれども、一貫して購読者だった。 ただし、隅から隅までじっくり読むというスタイルではなかった。時には見出しだけ、走…
池澤夏樹の「ワカタケル」を読了した。著者は芥川賞作家、詩人で、翻訳、書評も手がけている。なお、同氏は小説家の福永武彦の子息である。本書は、実在した最初の天皇と言われる第21代雄略天皇の一生を中心として、古事記に描かれる世界を小説化した作品である。 ワカタケル(オオハツセワカタケルノミコト、漢風諡号は雄略天皇)は名前が示す通り、若く猛る王子(ミコ)であったが、ある日、兄で大王(オオキミ)のアナ…