「池澤夏樹」の日記一覧

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「星の王子さま」を再び読んでみる

あれほど大切にしていたはずなのに、どうしても見つからなくなり、新しく買った絵本です。 この絵本は、人生に曲がり角が来た時に読みたくなる一冊でした。 この本に出合ったのは、大学時代の心理学教室です。 当時心理学者だった教授の一押しの本でした。 この絵本は当時は今ほど知られていなくて、訳も内藤 濯氏の一冊だけでした。 現在ではいろいろな人が翻訳していますね。 池澤 夏樹 訳 …

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朝日新聞連載小説:池澤夏樹「また会う日まで」完結(1644)

 wakohは長く朝日新聞を購読してきた。1958年結婚以来である。途中留学中の4年間を除けば、ほぼ60年間になるだろう。だが、父もずっと購読してきていた。だから、父の代からすれば、およそ百年に及ぶ読者といってよいだろう。  もちろん朝日新聞には毀誉褒貶があることは知らぬではない。けれども、一貫して購読者だった。  ただし、隅から隅までじっくり読むというスタイルではなかった。時には見出しだけ、走…

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山河を跋渉する大王

 池澤夏樹の「ワカタケル」を読了した。著者は芥川賞作家、詩人で、翻訳、書評も手がけている。なお、同氏は小説家の福永武彦の子息である。本書は、実在した最初の天皇と言われる第21代雄略天皇の一生を中心として、古事記に描かれる世界を小説化した作品である。  ワカタケル(オオハツセワカタケルノミコト、漢風諡号は雄略天皇)は名前が示す通り、若く猛る王子(ミコ)であったが、ある日、兄で大王(オオキミ)のアナ…

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叡智の断片 池澤 夏樹 (著)

叡智の断片 (集英社文庫) 文庫  池澤 夏樹 (著) ☆☆☆☆ 毎回、テーマを決めて、テーマに関係する著名人の言葉を引用辞典から選択して、エッセイ風の読み物にするという趣向の本。テーマは、「リッチマン、プアマン」、「科学者を信用しよう」、「死について」、「悪口は楽しい」、「老人たちよ」、「自殺の誘惑」、「ナウ・ユー・ハズ・ジャズ」等々、硬軟合わせて50編位ある。 作者は、池澤夏樹さ…

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池澤夏樹の「キトラ・ボックス」。

★3.7 現代ものだがテーマは古代史ミステリー。 奈良の神社のご神体を調査する讃岐大学の藤波三次郎。銅剣には北斗の金象嵌があり、銅鏡は禽獣葡萄鏡だった。 トルファン出土の鏡と酷似、更には大三島の大山祇神社蔵の国宝鏡とも。 3枚の同笵鏡の物語はあのキトラ古墳の被葬者へと繋がっていく、高市の皇子、後に片腕となる阿倍御主人、そして竹田大徳、この3人の絆は壬申の乱だった。 大阪の民博で働く可敦(…