「下村敦史」の日記一覧

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著者別インデックス:国内(下村敦史)

1.闇に香る嘘 (2014.08)   https://smcb.jp/diaries/6504103 2.生還者 (2015.07)   https://smcb.jp/diaries/8722477 3.黙過 (2018.04)   https://smcb.jp/diaries/7914563 4.同姓同名 (2020.09)   https://smcb.jp/diarie…

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猛吹雪のヒマラヤで

 下村敦史の「生還者」を読了した。著者はミステリー作家で、「闇に香る嘘」で2014年第60回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビューいる。本書は、ヒマラヤ山脈のカンチェンジュンガの雪崩で命を落とした、兄の死の真相を探る登山家の姿を描いた山岳ミステリーである。  物語は、世界第三位の高さを誇るヒマラヤのカンチェンジュンガの、吹雪が吹き荒れる氷壁で、単独登攀していた男が軽装で登攀して遭難しかけていた男を救…

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誰が誰を殺したのか

 下村敦史の「同姓同名」を読了した。著者はミステリー作家で、「闇に香る嘘」で2014年第60回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビューいる。本書は、十数名の登場人物が全て「大山正紀」という人物である、叙述タイプのミステリ―である。  2013年9月、大山正紀は公園で遊んでいた6歳の津田愛美ちゃんをトイレに連れ込んで殺害したが、遺体には28か所の刺し傷があった他、頭部が首の皮一枚で胴体に繋がっているとい…

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臓器のプライオリティ

 下村敦史の「黙過」を読了した。著者はミステリー作家で、「闇に香る嘘」で2014年第60回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビューいる。本書は、臓器移植をモチーフとしたミステリ―の連作短編集である。  「優先順位」:光西大学付属病院に、意識不明の轢き逃げ事件被害者の男性が搬送されてくる。夜勤の担当医は、若くて経験の浅い倉敷敬二であるが、倉敷は肝移植をすれば患者は一命を取り留めると判断する。しかし、患者…

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中国残留孤児の帰還

下村敦史の「闇に香る嘘」を読了した。著者はミステリー作家で、本書で2014年第60回江戸川乱歩賞を受賞している。本書では、兄が偽者かもしれないとの疑念に苛まれながらも、真相解明に敢然と立ち向かう全盲の主人公が描かれる。  物語は暴風の最中に横浜港に到着した一隻の貨物船から始まる。その船に積まれたコンテナの一つには、中国からの密航者が隠れていたが、空気穴が塞がれていたため、二人を除いて全員が死亡し…