「辻堂魁」の日記一覧

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辻堂魁の「日暮し同心始末帖7 父子の峠」。

★3.3 シリーズ7作目。日暮龍平が八丁堀の同心の家に養子に入り、北町に出仕し9年、32歳になろうとしている。 世は文政と変わる文化15年。倅の俊太郎は7歳、娘の菜実は3歳。 龍平は病の南村同心に代わって臨時の定町廻り方を命ぜられた。さっそく老夫婦に騙りを働き、死に至らしめた賊・作造を捕縛する。 作造は斬首となったが、その父親で山の民の重右衛門は龍平を逆恨みし、息子の俊太郎を誘拐するという…

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辻堂魁の「科野秘帖  風の市兵衛14」。

★3.5  シリーズ14作目。下伊那領保利家の国元で起きた、製紙業の問屋開設騒動にからむ物語。 今回は深川油堀の一膳飯屋・喜楽亭の常連である、町医・柳井宗秀の過去が明かされ、北町同心・渋井鬼三次の15歳になる息子・良一郎が登場する。 保利家の典医として出仕していた宗秀は国での騒動にからみ、藩を追われるという経歴を持っていた。その宗秀を仇と狙う姉弟がいた。その姉弟に係ってくるのが良一郎である。…

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辻堂魁の「冬かげろう 夜叉萬同心 1 」。

★3.0 シリーズ1作目。作者のスタートの作品。発展途上を思わす設定の粗さや、やや無理な展開が目立つ。やはり現在の「風の市兵衛シリーズ」などと比べると、内容に数段の差を感じるのは仕方のないところ。40歳の萬七蔵は北町奉行所の隠密廻り同心、奉行の小田切土佐守の特命を受けて奮闘し、夜叉萬と呼ばれている。神田の富田道場で一刀流の師範代を務めうるほどの腕。23歳で親戚筋の妙を娶ったが5年後はやり風邪で亡…

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辻堂魁の「遠雷 風の市兵衛13」。

★3.7 シリーズ13巻目。若衆姿の娘・節子を鞍の前に乗せ羽田浦に向う市兵衛、表紙が今回の物語のすべてを語っている。仕事の依頼を受けた旗本家の後添えに、なんと市兵衛が京で6年間仕えた下級公家・九条家の娘・お吹が嫁いでいた。10年余の前、市兵衛が29歳で九条家を去ることになった出来事が・・。北白川へお吹の供をしての帰り、ひどい雷雨に会い小屋で一夜を過ごした。市兵衛は暇を出され、お吹は当時の東町奉行…