「青崎有吾」の日記一覧

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素性法師は坊主か男か

 青崎有吾の「地雷グリコ」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、平凡な女子高生を装いながらも、勝負事に天才的な強さを発揮する主人公が巻き込まれた、様々なゲームを描いたギャンブル小説の連作短編集である。なお、本書の主人公は都立頬白高等学校一年生の射守矢真兎であるが、語り手は真兎の友人でクラスメイトの鉱田であ…

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陰陽師に拾われた少女

 青崎有吾の「アンデッドガール・マーダーファルス 4」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、19世紀末のヨーロッパに渡った、「怪物事件」専門の探偵である「鳥籠使い」一行の活躍を描いた、「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの第四巻であり、シリーズ全体の前日譚を描いた連作短編集である。  「知られ…

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不条理な百合心

 青崎有吾の「11文字の檻-青崎有吾短編集成-」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、様々な媒体に掲載された著者の短編、掌編八篇を収録したノンジャンルのミステリーの短編集である。  「加速してゆく」:JR福知山線の脱線事故をモティーフとした作品。新聞社のカメラマンの植戸昭之がJR尼崎駅のホームで電車を待…

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笑劇の第三幕

 青崎有吾の「アンデッドガール・マーダーファルス 3」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、19世紀末のヨーロッパに渡った、「怪物事件」専門の探偵である「鳥籠使い」一行の活躍を描いた、「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの第三巻であり、ドイツの山奥の田舎の村で起こった、人狼によると思われる凄惨な…

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骨伝導イヤホンからの指示

 青崎有吾/松澤くれはの「ネメシスⅥ」を読了した。著者の青崎有吾はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。著者の松澤くれはは演劇ユニット「火遊び」代表で、舞台脚本家・演出家である。本書は、広瀬すずと櫻井翔の主演で、日本テレビ系列で放映されている連続TVドラマ「ネメシス」の脚本協力として書かれたミステリーの中編集であり、松澤くれはが執…

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世界で唯一つの本

 青崎有吾の「図書館の殺人」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、「体育館の殺人」を初めとする「裏染天馬」シリーズの第四作であり、風ヶ丘高校図書委員長城峰有紗の従兄が、市内の図書館で深夜に殺害された事件の謎を追及する、学内随一の天才裏染天馬の名推理を描く青春ミステリーである。  夏休みが終わり、二学期制の…

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年下の恋人

 青崎有吾の「風ケ丘五十円玉祭りの謎」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、「体育館の殺人」を含む「裏染天馬」シリーズの第三作であり、シリーズ初の青春学園ミステリーの連作短編集である。  「もう一色選べる丼」:風ケ丘高校の学食で、ある日学食の人気メニューの二色丼でソースカツ丼と親子丼を盛り合わせた丼の食べ…

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イルカとのファーストキス

 青崎有吾の「水族館の殺人」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、「体育館の殺人」に続く「裏染天馬」シリーズの第二作であり、市内の水族館に取材に訪れた、風ヶ丘高校新聞部部長向坂香織が目撃した殺人事件のトリックを解明する、学内随一の天才裏染天馬の名推理を描く本格派のミステリーである。  夏休み中の八月四日、…

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笑劇の第二幕

 青崎有吾の「アンデッドガール・マーダーファルス 2」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、19世紀末のヨーロッパに渡った、「怪物事件」専門の探偵である「鳥籠使い」一行の活躍を描いた、「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの第二巻であり、フォッグ邸のダイヤを狙う怪盗アルセーヌ・ルパンと、それを阻止…

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鳥籠に入れられた美少女

 青崎有吾の「アンデッドガール・マーダーファルス 1」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、19世紀末のヨーロッパに渡った、「怪物事件」専門の探偵である日本人?一行の活躍を描いた、ファンタジーとミステリーとが融合した、悪夢とも笑劇とも言える作品である。  序章:明治維新後の日本で行われていた「怪奇一掃」の…

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著者別インデックス:国内(青崎有吾)

1.体育館の殺人-裏染天馬シリーズ​- (2012.10)   https://smcb.jp/diaries/8443547 2.水族館の殺人-裏染天馬シリーズ​- (2013.08)   https://smcb.jp/diaries/8530306 3.風ケ丘五十円玉祭りの謎-裏染天馬シリーズ​- (2014.04)   https://smcb.jp/diaries/8560141 4.…

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禁じられたカンニングの果てに

 青崎有吾の「体育館の殺人」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、本書で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、風ヶ丘高校の旧体育館で起こった密室殺人事件で、犯人の嫌疑をかけられた女子卓球部部長を救う、学内随一の天才裏染天馬の名推理を描く本格派のミステリーである。  六月某日、梅雨の最中で雨が激しく降る日、授業が早く終わった女子卓球部の袴田柚乃が、部活動のために…

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チープ・トリック

 青崎有吾の「ノッキンオン・ロックドドア 2」を読了した。著者はミステリー作家であり、「体育館の殺人」で鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、不可能な謎を推理するハウダニットが専門の御殿場倒理と、不可解な謎を推理するホワイダニットが専門の片無氷雨の二人が経営する、「ノッキンオン・ロックドドア」という名前の探偵事務所を舞台としたミステリーの連作短編集である。なお、事務所のパートの女子高…

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不可能と不可解

 青崎有吾の「ノッキンオン・ロックドドア」を読了した。著者はミステリー作家であり、「体育館の殺人」で鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、「ノッキンオン・ロックドドア」という名前の探偵事務所を経営する二人の青年探偵の名推理を描いた、ミステリーの連作短編集である。主人公の内、悪魔的巻き毛の御殿場倒理は密室、衆人環視の毒殺などの「不可能」な謎を推理するハウダニットが得意であり、もう一人の…

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殺風景という姓の少女

 青崎有吾の「早朝始発の殺風景」を読了した。著者はミステリー作家であり、「体育館の殺人」で鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は高校で同じクラスの男女が、始発電車で出会ったことに始まる、「日常の謎」系の青春ミステリーの連作短編集である。本書の語り手は、千葉県のローカルな私鉄の横槍線沿線の高校に通っている高校生達である。  「早朝始発の殺風景」:加藤木はとある訳があり、午前5時35分発の…