鳥籠に入れられた美少女

 青崎有吾の「アンデッドガール・マーダーファルス 1」を読了した。著者はミステリー作家であり、2012年、「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビューしている。本書は、19世紀末のヨーロッパに渡った、「怪物事件」専門の探偵である日本人?一行の活躍を描いた、ファンタジーとミステリーとが融合した、悪夢とも笑劇とも言える作品である。
 序章:明治維新後の日本で行われていた「怪奇一掃」のために集められた「鬼殺し」の一員でありながら、とある人物のために半人半鬼にさせられた真打津軽は、見世物小屋で怪物達を殺しながら命をすり減らして暮らしていたが、とあ