「浮穴みみ 」の日記一覧

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浮穴みみ の 夢行脚 俳人・諸九の恋

★3.3 久留米藩領に生まれた俳人・諸九尼の生涯を描く。諸田玲子の短編集「花見ぬひまの」がきっかけ。俳号はミサゴ(雎鳩)の音読みから諸九(しょきゅう)としたらしい。 金森敦子のノンフィクション『江戸の女俳諧師「奥の細道」を行く』を読んだせいか、物語としての面白味が弱くなってしまった。 近くの同じ庄屋に嫁いで10年も子ができないなみは俳諧という別世界を知る。あろうことか旅の俳諧師・湖白と欠落ち…

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浮穴みみ の 鳳凰の船(短)

★3.3 旭川出身の作者が明治初頭の出来事を背景に、時代に翻弄される人間模様を悲哀を込めて描く5つの短編。 「鳳凰の船」は伊豆で初のロシア船・君沢型を造った船大工・上田寅吉が凾館型を造った続豊治を訪ねた話。 「川の残映」は地震学者ジョン・ミルンと結婚した堀川とねがブラキストン邸での懐古の話で、畜産獣医学のエドウィン・ダンと結婚した鶴の話も。 「野火」は北海道庁初代長官・岩村通俊の懐古の話で、札…

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浮穴みみ の 楡の墓(短)

★3.4  明治開拓期の北海道を舞台に描いた短編集。 「楡の墓」札幌(さとほろ)開墾を主導する兵部省の大友亀太郎と、その下で開墾に従事する青年・幸吉と7つ年上の寡婦・美禰。 「雪女郎」佐賀の乱に参加した島義勇の、新組織・開拓使の判官時代3ケ月での本府建設の焦り。 「貸し女房始末」薩摩士族から開拓使の下級官員となった岡部と越中から手代と駆落ちしてきた娘・ふきは薄野で女郎屋を持つまで。 「湯壺…