「祖父の思い出」の日記一覧

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おじいちゃんは新興宗教に殺された

祖父は街の開業医でした。 近くに総合病院が出来てからは、風邪引き程度の患者もそちらの病院に行きだしてからこちらに来る患者はめっきり減っていました。、こちらに来るのは病院に見放されたような余命の短いお年寄りばかりに。 それでも祖父は決して手を抜くことなく、親身に治療に専念していました。 病院から追い返されたような末期の患者には医学は無力です。 そんな患者には医術よりも宗教を必要としたのです。 …

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瞬き(またたき)

ゆらゆらゆれるおかっぱの緑髪 母の急の不在に、 少女の居場所は変わった。 白木の縁側から見る庭の青花鉢に 金魚が2匹、きらめく水面にすっと尾を引く。 そこは、ボンボン時計の針の音だけが聞こえる 祖父母の家。 祖父は、毎朝ポマードで豊かな銀髪を整え、 しゃんとして ソフト帽とコートを着て学校に出かけてゆく。 祖母は真っ白の割烹着をきて、着物を縫っている。 味噌汁の大根の葉をつまらなく噛みなが…