追ひ越してゆく自転車もとんぼうも 石田郷子 年逝くと自転車を押しながら話す 岡本眸 麦秋や自転車こぎて宣教師 永井芙美 髪干すと自転車にのる春の暮 北見さとる 晩秋の赤い自転車木に寄する 三浦百合子 吾子の自転車オレンジさっそうと アロマ 夜桜の下自転車が迅く通る 波多野爽波 鋪道の花 野を駈ける子らの自転車麦のあを 及川貞 夕焼 風切って自転…
あたたかや一番星に女神の名 山口 速 かつて見えし女神はかくる冬椿 山口青邨 この邑の鎮守女神に桃の花 大熊輝一 土の香 コンコルド女神老けにし春の雨 横光利一 さくら咲きオムレツ好きの女神かな 四ッ谷 龍 はずかしや野分草木総女神 永田耕衣 パリ暮春朝の女神の空濡れし 石原舟月 ヒヤシンス女神も嫉妬深きかな 荻原都美子 ふりむけば女神湖白し金…