「吉田秀和」の日記一覧

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「疾走するスポーツカー」ピアノ演奏家についてのひとりごと

 ホロヴィッツはかつて吉田秀和さんに「ひびの入った骨とう品」と評された。1983年の初来日時のNHKホールにおける演奏に多くの著名人が賛辞を送ったなかで、吉田さんのこの評は物議をかもしたそうである。  ホロヴィッツのどこをどのように聴いても酔うことのできないぼくには、しごく当然な批評に思えたが、どうも世間ではそうではなかったらしい。世界的に認められた演奏家だから素晴らしいとか、あの高名なピアノ…

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吉田秀和氏のご逝去を悼んで

吉田秀和氏が亡くなられたとの報に接した時、wakohは衝撃を受けた。直にその謦咳に接したことはなかったにもかかわらず。  それから、また数日が過ぎてしまった。以前なら、その日のうちに、たとえ短かろうが、哀悼の意を表する日記を書いたことであったろうに。  吉田秀和さんが亡くなられたのは、5月22日のことであったらしい。98歳だった。そのことが報じられたのは、5月28日になってからだった。 …