蕎麦畑花の白さが実りけり 三浦カヨ子 蔵出しの味噌いただけり蕎麦の花 宮川みね子 花蕎麦やたちまち暮るる八ヶ岳 田中藤穂 高原の大気旨しよ蕎麦の花 竹内喜代子 蕎麦の花高原白く真っ盛り アロマ 蕎麦の花丸太の椅子に蕎麦を待つ 國保八江 風遊ぶ地平線まで蕎麦の花 神宮きよい やはらかな風よりやさし蕎麦の花 安居正浩 …
行く春や旅人憩ふ栃のかげ 前田普羅 飛騨紬 初夏旅人茜のあとは食欲りて 金子兜太 秋風や旅人のせて石舞台 山口青邨 旅人に遠山見せて蕎麦の花 毛塚静枝 峠行く旅人の姿やがて消え アロマ 旅人にタジマハールの月如何に 稲畑汀子 旅人に雉子鳴く山も五月尽 山口青邨 旅人に昔がたりの新茶かな 中川乙由 旅人に奈良茶粥あり柿日和 清水杏芽 旅人は親子連れ…
桐の実のからんと落ちて年明くる 岩木茂 和太鼓のおとに桐の実弾けたる 瀬川公馨 桐の実のからから鳴るや明日は晴 豊谷ゆき江 朝の空澄めり八十路の一日目 菅野蒔子 ふるさとの空澄み渡り銀河濃し 廣瀬義一 アリゾナの空澄み渡る冬の朝 伊吹之博 冴え冴えと田んぼ一枚曼殊沙華 アロマ 空澄んで昼のチャイムは役場より 大島英昭 空澄むや注連…
想ふこと春夕焼より美しく 富安風生 揚げ物の音が窓洩れ春夕焼 三村純也 帰りなむ春夕焼を壜に詰め 櫂未知子 蒙古斑 春夕焼星の生るる波紋見ゆ 橋本鶏二 茶の泡に春夕焼のとどまらず 加藤楸邨 飛鳥人と恋をせん奈良の朧月 中勘助 都府楼の石にしみじみ月おぼろ 小原菁々子 朧月優しさあふれ空にあり アロマ 三日月に地は朧なり蕎麦の花 松尾芭蕉 …
のどけしや畦で受け取る宅配便 前田秀女 伊勢海老が鳴く宅配の函の中 山口超心鬼 玄関に寒さを残し宅配便 竹内剱一 宅配を受け取り外は心地よし アロマ 宅配の林檎大振り手紙書く 椎名靖子 ネット懸賞アメリカよりグレープフルーツが アロマ 写俳展へも宅配の桜草 伊丹三樹彦 送られし小包解けば新茶の香 長田一男 エアメールの封切りをれば小鳥来る …