即興短歌 ~花と風~
ふと見上げ花の行方は知らずとも 空の心は胸の奥降る 流し目に遠く花びら恋ワルツ 千鳥足でも女風吹く 酔えばまた昔流しの唄も消え しんと独りの息のつぶやき 花よりも風になりたや宵の街 ふうらふらりのからりからりん 花の春添える想いの文ひとり 声聞こえずに歌うくちびる 心の中で、まだ、桜が舞ってます…
ふと見上げ花の行方は知らずとも 空の心は胸の奥降る 流し目に遠く花びら恋ワルツ 千鳥足でも女風吹く 酔えばまた昔流しの唄も消え しんと独りの息のつぶやき 花よりも風になりたや宵の街 ふうらふらりのからりからりん 花の春添える想いの文ひとり 声聞こえずに歌うくちびる 心の中で、まだ、桜が舞ってます…
パッと散る後ろ姿の花火柄 固く結んだ帯に又散る 揺れながら酔いに涼んだ川ひとり 映る大輪夢の名残りか 空ひとつ月を探して迷い時 供の花火に思い託して 粋に散りさわりそわりと泣いた夜 素足濡らして水花火行く 散りはせぬ一途乙女の恋の夢 夜空焦がして囁きの花 …
遠くても心ひとつの想い出と 透かしページにひとつため息 振られ癖いつもいつもの道なれど 月のある夜は振り向きの夢 そっとほら空の遠くできら光り 帰る夜道にふたり影絵に 忘れても昔言葉の落とし物 今宵再びいつかその日を 嘘ならばきっと涙もそのうちに 流れさまよい時の知り人
緑風開けた窓辺のグラスごと 揺らし目線の先の深海 涙風昔々の恋だより 今はそれぞれ夢の枕に 青の風裸足海岸走り抜き 語る砂歌想い日和に 恋の風きっといつかとその日まで 光る乙女の瞳ならばと 朝の風雲は空唄独りきり 知らず呼ぼうか宵の星唄
朝なれば想いひと息膨らませ うすい空果て飛ばし見つめる 揺れて風揺れなくも風首すじに 絡む髪さえ優し微笑む 何もなき心の隅の捜し箱 今宵開くか時の鳴き鳥 さわさわと風の明日の独り言 後ろ姿に舞える桜葉 言えぬなら風に流され揺れて行き ふわり想いの春の涙か …
雨風と窓の向こうの春芝居 浮かれ役者の心知らずに 今日からは古い台本破り捨て 風の舞台の隅にたたずむ まだ読めぬ心変わりの離れ唄 踊る明日の明かり窓見て 止んでなお雨は心をまた濡らし 闇のお供の月を探して 絵空事今宵舞台にかけるなら 風の春よと薄い口紅 …