「野村真理」の日記一覧

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野村真理『ウィーン ユダヤ人が消えた街——オーストリアのホロコースト』岩波書店、四六判上製、262頁、2023年、読了。

 本書は、東欧諸国の「負の側面を白日のもとにさらす」ホロコースト史的研究の流れ。「オーストリアのホロコースト」、「反ユダヤ主義」を鍵語とする「オーストリア近現代史再考の試み」という(序)。愚生は今またしつこく言うが、ロシアによるウクライナ侵略戦争真っ只中にある世界に生きておる。そのことを自覚しつつ、先行して読み継いでいるのが、クズネツォーフ『バービイ・ヤール』(邦訳1967年)というロマン・ドキ…

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野村真理『ガリツィアのユダヤ人——ポーランド人とウクライナ人のはざまで』新装版、人文書院、四六並製、272頁、2022年、読了。

 東ガリツィアという多言語地域の地名、例えば「リヴィウ」(ウクライナ語)は、ルヴフ(ポーランド語)、レンベルク(ドイツ語・イディッシュ語)、リヴォフ(ロシア語)の4表記が存在したというp.10。歴史的・政治的・文化的に複雑な地域の問題に触れることになる。2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵略戦争の再発激化が、否応なく愚生の関心を惹き起こしたウクライナに関する書物である。また脳裏には20…